旅ごころブログ〜公認心理士が書く心理学ブログ〜

公認心理士、臨床心理士をしている筆者が心理学の知識を伝えていくブログです。恋愛心理学、ストレス対処法など日常で使える心理学はもちろん、精神科の疾患についても解説します!

家庭内暴力に苦しむ方 家庭内暴力から身を守るための具体的な方法を紹介します

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家庭内暴力に悩んでいる家族は今も昔も多くいます。

他人に相談しにくい内容なのか、なかなか外には出ませんが、配偶者の暴力、子どもの暴力、親の暴力・・・平和そうに見える家庭にも闇が潜んでいる場合はあります。

 

家庭内暴力に悩む家族は、孤独で先の見えない不安にさいなまれています。

 

今日は家庭内暴力に悩む人たちへ向けた記事です。

 

 

暴力とはどのような行為なのか

まず暴力とはなんでしょうか。

 

・殴る・蹴るなどの身体的な暴力

・怖い言葉で脅したり物を壊したりする行為

・ひどく傷つく言葉を日常的に浴びせてくること

 

これらはすべて「暴力」に当たります。

 

このような暴力が、家庭という閉鎖的な空間で日常的に起こると、暴力を受ける側は感覚が麻痺してしまい、SOSを発することができなくなる、ということも起こりとても危険です。

 

家庭内暴力から身を守るための具体的な方法

では、暴力から身を守る具体的な方法を以下に書いていきます。

 

・いつでも避難ができる準備をしておく

暴力がひどくなった時、エスカレートした時にすぐに避難できる準備を整えておくことは大切です。

避難用のカバンに必要なものをつめておく、近所のホテルを探しておく、友人や実家など頼れる人へ話をしておく、などですね。

数日分のお金も避難用カバンに入れておくと安心です。

 

・暴力に対する相談に乘ってくれる場所を見つけておく

精神保健福祉センター、女性のためのシェルター、民間の相談機関、など暴力について相談ができる場所があると、緊急時に頼ったり日々の相談をしたりすることができます。

まずは市や区の暴力相談窓口に行ってみると良いと思います。

 

・110番はしても良い

身の危険を感じたら110番をためらう必要はありません。

後で報復が怖い、というのも十分理解できますが、まずは今の危険な状況を回避することが大切な場面もあります。

もちろんその後はあらかじめ決めておいた避難場所に避難することも大切です。

しかし子どもの引きこもりなど、本来なら家庭内暴力が深刻化することはほとんどなく、適切な対応をすれば一過性で終わるものもあるので、見極めは大切です。

そのような場合でも、警察という第三者に入ってもらうことは意味があるので、危なくなったら電話をする旨を近所の交番に話しておくのも一つの準備です。

 

・暴力をされたくない、と伝える

これは緊急度の低い場合に限って有効な時があります。

配偶者の暴力や親からの虐待は力関係が圧倒的な場合が多いのであまり適さないかもしれませんが、まだ話し合いができる余地のある関係性の場合は自分の気持ちとして伝えてみても良いかもしれません。

「暴力はしてはいけないことだ」という世間一般の常識を伝えることには効果はありません。

ただ「私は暴力を受けたくない」という自分の気持ちを言うぶんに対しては、一定の効果がある場合があるのです。

「私はもう殴られたくないのでやめて欲しい」

「殴られないためにしばらく家を出ます。あなたが殴らなくなれば帰ります」

話し合いができる状態であればこのように伝えるのも一つの手です。

 

・暴力の前兆を知っておく

突然暴力が出るケースもあるにはありますが、ほとんどの場合前兆があります。

口調が荒くなる

貧乏ゆすりが始まる

イライラしている様子

本人がしたくない話をした時

ケースによって様々だとは思いますが、暴力の前兆に気づいたらその場をすっと立ち去るようにしてみて下さい。

これは自分の身を守ることはもちろん、家族に暴力をふるわせないための方法です。

時々暴力を受け入れることが家族としての愛情だ、などということを言っている人もいますが(驚くことに専門家と名乗って!)それは絶対に違います。

暴力はどんな理由があってもやってはいけないことですし、暴力が日常になると、それこそ理由などなく暴力が出るようになってしまいます。

大切な家族に暴力をふるわせない、というほうがよほど愛情です。

会話をしている時に相手がイライラし始めたら、もうそれ以上話はせずに「今日のところはもう寝ましょうね」と話を切り上げて、暴力の可能性をさげることは非常に重要です。

 

暴力の緊急度により変わる対応

暴力に軽いも重いもありませんが、緊急度を知ることは大切です。

命に関わるような状態と、何度も何度も口喧嘩をした結果腕をつかまれた、というのでは対応の仕方は変わってくるのは当然です。

 

日常的に非常に恐怖を感じるような暴力的な行為がある場合、それはやはり自分の身を守ることを第一に考えて行動をしなければなりません。

110番通報や避難が考えられます。

 

一方で、不登校や引きこもりの子どもとの関係が悪化した結果、子どもが暴言を吐いたり時々けがをしない程度の暴力をふるってくるような場合だと、もしもの時のための非難の準備や安全確保をしながら、子どもとの関係を改善するために動くことが優先されると思います。

 

暴力の中にいる当事者にはなかなか判定しにくいと思いますので、第三者にも状況を話をして相談に乘ってもらうようにしましょう。

 

 

おわりに

家庭内暴力の対応はとても難しいです。

まずは家庭内で抱え込まないことと、家族全員の身の安全を守るための行動が大切だと思います。

専門機関への相談は何も恥ずかしいことではなく、とても大切な一歩です。

勇気を出して相談をしてみて下さい。